大人が久しぶりに晴れの日に参列する時に参考になるまとめ 両親編

私ごとで恐縮ですが、先日息子の結婚式がありました。結婚式への出席自体はなんと16年ぶり、友人が年下のイケメン君と結婚した時以来のことです。

 

 

 

 

 

 

大人が久しぶりに晴れの日に参列する時に参考になるまとめ ヘアメイク編
大人が久しぶりに晴れの日に参列する時に参考になるまとめ ゲスト編

このブログを読んで下さる方は40~60代くらいの方が多いのではないかと思います。私と同じようにお子様方やご親族の結婚式に出席する機会がある方々だと思います。この年齢になると友人の結婚式はすでに卒業の感があります。ですが今度は親として、親族として、来賓として…立場が違っての列席が増えてきます。

もうそんなに若くない私たちはどのような装いがふさわしいのか。。。?若い頃の結婚式のイメージのままだと少しズレてしまうかもしれません。
今回の経験を通して感じたことを、今の時代の感覚にのっとって少し書き留めたいと思います。

 

 

親として相応しい装いは?


結婚式のドレスコードが特に指定がない場合(平服などとなっていない場合ですね)、そして海外挙式などでない、一般的な国内のホテルや式場の場合、新郎新婦の両親は第一礼装での出席になります。

 

 

第一礼装って?


第一礼装とは、一番格の高いとされる礼装です。正礼装とも言います。(ここでは慶事に関してだけ書きます)


【和服の場合】
男性の場合…紋服 黒羽二重・染抜き5つ紋付き長着(着物)と羽織り+仙台平の袴

 

 

 

 

 

 

いわゆる紋付き袴姿です。

 

女性(既婚)の場合…黒留袖(地色が黒の留袖)染め抜き5つ紋付き+袋帯、帯結びは二重太鼓

横浜メイクレッスン

 

 

 

 

 

 

 

女性(未婚)の場合…振袖+袋帯、帯結びは変わり結び

横浜メイクレッスン

 

 

 

 

 

※紋服(紋付)、黒留袖ともに現在では比翼仕立て
※紋は染め抜き日向紋

って?なんだか耳慣れない用語がいっぱいですね。。。
ですが覚える必要は全くないのです。呉服屋さんで誂えるにしても、レンタルをするにしても、ちゃんとルールにのっとったものを準備してくださいますので安心してください。言葉についてもしご興味があるのであれば、下をご覧ください。

●黒羽二重 平織絹織物、柔らかく光沢がある布地で色が黒。
●染め抜き5つ紋 縫ったり、張り付けたものではなくて染抜いてある家紋。で、紋が5つないと正礼装にはなりません。場所は背中、後ろ袖の上部、両胸についてます。
●仙台平 仙台市で織られる袴地の最高級品
●袋帯 長さが4m超の帯、表地と裏地に異なる生地を使用。礼装用が多いがおしゃれ用のものもある。
●二重太鼓 お太鼓の部分が二重(二枚)になっている帯結び。名古屋帯の場合は一重となる。
●日向紋 紋の部分を染め抜いてあるので白くなる、たいして陰(かげ)紋は輪郭線が白くなる。
●比翼仕立て 2枚の着物を重ねて着ているようにみせるため、袖口、振り、衿、裾を二重に仕立てるもの。かつては本当に下にもう一枚着ていた。

わぁ!なんだか難しくて面倒くさいですね。でもね、和服はきっちり決まりごとがあるので逆に悩まなくてもよいものです。ルールにのっとって決められたとおりにすればよいのですから。ここにオリジナリテイを出そうと、「私は袋帯ではなくて名古屋帯を締めるわ!」みたいなことはタブーです。個性や好みは留袖や振袖の柄で出せばよいですね。

 

ここまでが和装の場合。では洋装での第一礼装とは?

●男性の場合…昼間 モーニングコート 
      午後から タキシード

●女性の場合…昼間 アフタヌーンドレス 襟元がつまり、袖7~10分丈、ロングスカート
      夜 イブニングドレス 胸元・背・肩を出したデザイン、スカート丈は床までのフロア丈

と言われています。随分あっさりと書いてしまいましたが、なにせ専門外です。どうぞお許しください。

 

ここまでは、一般的に言われていることで、マナーブックやネットにも載っている知識です。

実はこの先が難しいのではないでしょうか?
実際に結婚式に出席する場合、どんな装いをしたら年齢と立場にふさわしいのか?もっと具体的に私の経験も含めて考えてみたいと思います。

 

今回は新郎新婦の両親の場合について書きたいと思います。まさしく今回の私たち夫婦です。
では両家の写真をご覧ください。

 

 

 

母親の装い


【母が和装】
私たち母親は二人とも黒留袖です。私は自分の母親の留袖、お嫁さんのママは式場で借りました。息子夫婦は実は幼稚園時代の幼なじみです。そう、私たち母親はママ友なんですね。ですのでざっくばらんにお互いの衣装の相談もできました。お嫁ちゃんママの「黒留着たいな♪」と言う希望に「オッケー!」とお答え!教会挙式でしたので、花嫁さん側のご両親は「ベールダウン」や「バージンロードエスコート」などのお役目があります。主役は花嫁さんですので、花嫁側のご希望に沿うかたちで衣装を決めて行きました。

父親 モーニング
母親 黒留袖

これが最近では一番オーソドックスなパターンですね。

両親の衣装の注意点は、和装でも洋装でもどちらでも良いのですが、「格」をあわせること。そして両親はトップオブ格の「第一礼装」であることです。もしそこが崩れてしまうと、ほかのゲストとの調和が崩れてしまいます。序列が崩れると不協和音を起こしてなんとも場が乱れてしまう。そんなところでバランスが悪かったら、来ていただいたゲストにも失礼ですね。

まあこれもないとは思いますが、「お父様が準礼装のブラックフォーマル」いわゆる男性が一般的に冠婚葬祭で着るスーツですが、それではアカンとなります。ほかのゲストの方々と同列になってしまいます。黒留袖の妻よりも格が下がってしまいます。

では、教会式で「和装」ってどうなの?こんな疑問も起こります。
これも、近年続いている日本の文化・慣習ですから全く問題ありません。5つ紋付き留袖で大丈夫です。お父様が和装の紋服であっても「格」が正しいので大丈夫です。

では「黒留袖」ではなく「色留袖」だったら?

だんだん応用問題になってきました(笑)
驚かれるかもしれませんが、「色留袖」も「黒留袖」も5つ紋が入って比翼仕立てならば「第一礼装」となります。ですのでどちらでも大丈夫なんですね。

 

 

 

 

 

 

こちらは五つ紋付きの色留袖。胸に2つ、背中に1つ、後ろ袖に2つ 紋が入っています。
これは五つ紋付き黒留袖と同格です。

 

 

 

 

 

 

 

こちらは三つ紋付きの色留袖
背中と後ろ袖には紋がありますが、胸元にはありません。
こちらは正礼装(第一礼装)ではなく、準礼装となります。

 

ですが!
現実問題として、現在5つ紋付きの色留袖はとても少ないと思います。なぜなら着用の機会が非常に少なくなってしまうから。もしお手元に「色留袖」をお持ちならば、紋の数を数えてみて下さい。1つまたは3つではないでしょうか?比翼と呼ばれる白いひらひらの布もついてないかもしれません。それは、色留袖を準礼装として仕立てておきますと、訪問着などのように着る機会がひろがるからなんですね。ですので近年5つ紋のついた色留袖は一般的でなくなっています。皇室の方々は黒留袖をお召にならないので、5つ紋付き色留袖が慣習になっています。

例えば既婚の若い姉妹の場合など、黒留袖ではちょっと重厚すぎるけれど色留袖ならば柔らかな雰囲気で華やかになります。ミセスであっても友人の結婚式に一つ紋や三つ紋の色留袖で出席するのは素敵ですね。

あとは、お母様二人が並んだとき、片方が「黒」片方が「淡色」ですと、一般的には今まで書いたような「格」のお話まで詳しくご存知の方は少ないので、何となく違和感を感じてしまうかな?とも思います。黒はフォーマルのイメージがあるので、黒留袖の方が格上に感じやすいものかもしれません。

それから「紋」についてです。
基本的にはその家の「家紋」がついているものですが、婚礼に際し実家で誂えた場合など、実家のの場合もあります。私は母の留袖ですので実家の紋です。結婚後に新たに誂えた場合は婚家の紋であったりします。代々女性が受け継ぐ「女紋」がある家もあります。その場合は女紋をいれたりします。ご自身の留袖であっても紋は様々と言うことです。


ではレンタルの場合はどうでしょうか?
その家の紋が何であるか?ご存知の方は近い親戚など限られた方になると思います。全く関係ない紋であっても気づく方はほぼいないのではないでしょうか?あとはお召しになる方の気持ちの問題だと思います。家の紋にこだわるのであれば、一般的な家紋であればオプションで上から貼り替えられる「貼り紋」の指定ができることもあります。式場やレンタルショップでご相談なさるといいでしょう。

【母が洋装】
最近は母親もドレスを選ばれる方が多いのでしょうか?
実は私も「ドレス」にあこがれていました。ロングのアフタヌーンドレスを着る機会なんて、音楽をやっていたり、「美魔女コンテスト」に出たりしなければなかなかない機会です。(美魔女さんはアフタヌーンではなくイブニングドレスをお召しでしたね)

我が家は未婚の娘もまだいるので、チャンスはあるかも!(笑)

ドレスの場合も、やはり第一礼装にするべきです。先ほど述べたように「格」の混乱は「序列」の混乱を招き、違和感や不協和音を起こします。ですので母親はひざ丈のワンピースと言うわけには行きません。スカート丈はロング、お袖も長袖または七分袖以上、肌の露出のあまりないものが適しています。

だって~
誰も50代、60代のおばちゃんの二の腕にょきっも、立派なデコルテも、膝小僧も見たくない!ゲストにぎょっとさせてはいけませぬ。誰が見ても安心感のある装いを心がけましょう。スカート丈がロングであることは決して仰々しくはないです。第一礼装ではロング丈となりますので礼を尽くすためにもアフタヌーンドレスをお召しになってください。ここで母親がミドル丈の一般的なフォーマルスーツやワンピースで登場し、モーニング姿の夫と並んだら、格が違ってしまいます!そしてゲストの方と同格になってしまいます。それはおかしな風景、奇妙な状況…知識のある方でしたら居心地が悪くなってしまいます。

そして洋装の良いところは「着なれている」と言う点です。和装に慣れていない方の場合、長時間留袖を着ることは結構しんどいです。母親は当日とてもいそがしいです。ゲストへのあいさつ回りにバタバタと動き回り、そこに緊張もプラスされます。気遣いも半端ない!普段着物を着ている私でも、正直暑くて汗だくでした。のぼせてしまって意識が飛びそうになりました。
ゲストの方は座ってお食事をしていますので、会場はちょうどよい室温です。ですが、補正のタオルを巻いて帯も締めている母親にとっては、会場は暑いのです(暑さを感じやすいお年頃でもありますね 汗)。

ですから無理せず洋装にするのも賢い選択ですね。

 

父親の装い


【父が洋装】
お父様の衣装は「洋装」が一番多いと思います。
我が家の場合も父親は両家ともモーニングコート姿です。挙式は13時すぎから、披露宴は14時からでした。しかしながら夜の正礼装「タキシード」ではありません。もちろん2人とも式場でお借りしたレンタルのものです。レンタルのコーナーで衣装の選択の余地はありませんでした。「お父様はモーニング」これで決まりです。一般的に挙式は遅くても午後4時くらいまでには始まると思いますので、お開きが夜になったとしてもモーニングですね。お持ちの衣装の場合は式場に聞くのが一番でしょう。もし仕立てられるのであれば、今の日本の慣習に照らせば、「モーニング」を作られるのが良いと思います。

 

 

 

 

 

 

同じ式場でレンタルの場合、同じデザインにしないように気を配ることも大切ですね。我が家の場合は先ほど述べたようにざっくばらんに両家で相談ができました。息子たちと一緒に親の衣装合わせにも行きました。花嫁のお父様が決まってから、私の夫が決めました。正直モーニングの種類は4パターンしかなかったので、かぶってしまう可能性は大きくあるのです。パパちゃんズがお揃のタキシード…も可愛いけれど(笑)
そこは両家でよくお話して、すり合わせた方が良いですね。

 

【お父様が和装】
最近ではあまり一般的ではないと思います。けれど、年齢を重ねた男性の紋付き袴姿はそれはそれはカッコよいもの。お父様の紋付き姿もおすすめです。新郎新婦が和装の場合は息子と丸被りになる可能性もあります。ですが最近の紋付き袴は結構おしゃれです。お父様は黒地の正統派、花婿は今どきのおしゃれ袴もありだと思います。

そして、お家のお仕事だったり歴史だったり、和のことに関係があり、造詣の深いお家もあるかもしれません。その場合は純和風で行うのも自然な流れであります。

とにかくいえることは。新郎新婦の衣装がきまったら、両親の衣装も両家でよく相談された方が良いということですね。その時の最重要ポイントは「格」を揃えるということ。それは、両家のためでもあり、いらっしゃるゲストに対し礼を尽くすという意味にほかなりません。

 

「和装」「洋装」両家でそろえるべき?


和装・洋装を統一するか、こだわらないか…についても、考え方が様々です。疑問に思って調べてみても、書籍やネットに書かれていることは様々異なっています。
私が確認しただけでも


●母親が和装か洋装かに統一されていないと写真が不ぞろいになる
●格がそろわなくなる
といったも「合わせるべき派」から


●両家で衣装のタイプが異なることは別に珍しくない(式場関係者)
●合わせれば統一感は出るが、それは絶対ではない
などの「こだわらなくて良い派」までいろいろです。

 

そしてここからは私の私見であります。メイク講師としてちょっと「毒」も入るかもしれません。

基本は着たいものを着る!それより「格」を合わせることの方が大事!

主役は新郎新婦ですから、二人の希望に沿い、二人を引き立たせ、お祝いの気持ちが表れている衣装であれば良いと思います。
家庭の環境も違う両家です。体調等で和服が難しい場合もあるでしょう。両家が合わせなければならないなんてことはありません。

(ここからは少し毒が入ります 笑)
似合う似合わないって人によって随分違います。紋付き袴が七五三みたいになっちゃうパパも、黒留袖で田舎夫人になるママもいるでしょう。写真が不ぞろいって言いますが、そもそも人間が不ぞろいですからね。体格もお顔の造作も全く違うのです。同じような格好ですと逆に差が歴然とわかるとも言えます。


和装洋装が混在しても、それが原因で格が揃わない…などという事はないこと、ここまでお読みいただいた方はもうおわかりででしょう。上記の「格が揃わない」は間違っています。和装の第一礼装=洋装の第一礼装、和装の準礼装=洋装の準礼装、和洋どちらにも同格の装いがあります。

婚礼で両親の衣装選びのポイントは3つ!
①両親の衣装は第一礼装
②両家両親とも格を揃える
③同格ならば和装・洋装が混在しても問題なし

感覚的には
〇父モーニング 母黒留袖 / 父モーニング 母黒留袖
〇父モーニング 母黒留袖 / 父モーニング 母ドレス
〇父モーニング 母ドレス / 父モーニング 母ドレス
〇父紋付き 母黒留袖 / 父モーニング 母ドレス
〇父紋付き 母黒留袖 / 父紋付き 母黒留袖 ←これ、かっこいい!

このぐらいが、現代の結婚式ではバランスのよい組み合わせだと感じます。
これからお子様が華燭の典を迎える皆様の参考になればうれしいです。新郎新婦が喜んでくれる、そしてゲストに感謝の気持ちが表れる最上の衣装を選んでくださいね

次回は「50代がゲストとして結婚式に参列する」場合の衣装について書きたいと思います。
大人が久しぶりに晴れの日に参列する時に参考になるまとめ ゲスト編

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