市民権を得たようなパーソナルカラー診断ではあるけれど
みなさんは雑誌やインターネットでパーソナルカラーの自己診断をしたことがありますか?毎回結果が違ったり、当てはまるようなでも違うような…曖昧のままだったり。難しいですね。
そもそも皆さんの持っている「パーソナルカラー診断」のイメージってどんなものでしょうか?
「沢山の色の布を胸元に当てて行くあれでしょ?似合う色がわかるのよね。。。」そんな感じに思っている方が多いかもしれません。
それは当たらずとも遠からず…それでは「似合う色が分かる」の「色」って何でしょうか?
「色」と言う言葉がさすものは?
私達が普段使う「色」と言う言葉。これを厳密に言えば「色相」という言葉になります。いわゆる「赤・青・黄」やそれらを混ぜて出来る「紫・緑・オレンジ…」など。色は太陽の光の届く地球上に無限に存在します。
パーソナルカラー診断は、その中のどの色が自分に似合うのかを知る…のではないのですね。無限の色の中から似合う色を探すのは至難の業。ですのでパーソナルカラーの世界では「だいたいこんな色だよ」と目安になるようにグループ分けをしているのです。
けれど、お店でいざ洋服を買おうとしても「ほんとにこの色でいいの?」と疑問がわいたりしませんか?例えば同じネイビーでも黒に近いような濃紺も、青に近いような明るいネイビーも存在します。そしてよくあるのは、「店内で見た色と外で見た色が違う!思っていた色じゃない!」ということ。照明と太陽光の下では色が違ってみえたりします。
パーソナルカラー診断をする時、数多くのドレープ(色の布)を顔の近くに当てて顔色の変化を見てゆくのですが、そこからわかる事は「色」とは少し違うかもしれません
まずはイエローベースとブルーベース
皆さんも良く耳にすると思いますが、「イエローベース」と「ブルーベース」。この黄色みと青みが肌に与える影響を見ること。この考え方がパーソナルカラー診断の基本となる…と私は考えます。
この、黄色み・青みの観点で色をとらえると、比較的色が選びやすくなりますので、今日は少しそのお話をいたします。

上の図は「濃い青~薄い青~薄い黄色~濃い黄色」とグラデーションになっています。
世の中の色はちょっとづつこの青み・黄色みを帯びていると考えます。そしてそのどちらがより得意=似合うのかを把握していると、私たちの生活の中で服の色が選びやすくなるのです。
深く青み・黄色みが買っている色もあれば、あっさりとかかっている色もあります。(真ん中あたりはニュートラルな色ですね)
花はもちろん葉の色も黄味がかった黄緑、新緑の色。
秋の景色、紅葉は黄色みがかった赤
薔薇もリップカラーも背景も青みのピンク~パープル
クリスマスのもみの木、針葉樹は青みの緑
パーソナルカラーで言うところの似合うは肌を美しくみせるということ
パーソナルカラーの世界で「似合う」と言う言葉の定義は、「肌などをきれいに見せてくれる」ということです。
【似合う場合】
・肌に透明感をもたらす
・血色が増して見える
・肌にツヤがあるように見える
・しみやくすみが目立たない
・輪郭がスッキリ見える
・髪にツヤがあるように見える
・肌がフラットに見える など
【似合わない場合】
・肌がざらついて見える
・顔色が悪く見える
・血色がないように見える
・シミやくすみが濃く見える
・しわやほうれい線が目立つ
・髪がパサついて見える
・肌がざらついて見える など
お肌や髪の状態がおなじでも、このように見かけの差が出てしまうのは怖いですね。
似合う色を選ぶためには、見え方の傾向を知るべし
みとわのサロンでのパーソナルカラー診断では、このようなお肌の変化をお客様と一緒に確認しながら進めます。
「こちらのドレープですと、頬の自然の赤みが増しますね。
「こちらのドレープですと、お肌がざらざらした感じに見えてしまいませんか?」
などと、お客様にわかりやすく変化の確認をして頂きます。そしてお客様にも見え方の変化を実感していただきます。
そして、ご自分の「似合うドレープを当てた場合のお顔色や肌の変化」と「似合わないドレープを当てた場合のお顔色や肌の変化」を記憶にとどめていただくのです。それこそが色選びの軸になります。
カラーリストがドレープをどんどん当てて行き、結果だけをお伝えするのであればどうなるでしょうか?お店で色選びを迷われた時、何をよりどころに決めればよいか、困ってしまうのではないでしょうか?
黄色み寄りの色なのか、青み寄りの色なのか?店頭に並んでいる服の色は明確な色ばかりではありません。
「この色はイエローべースですか?ブルーベースですか?」とお店の人に聞いても「???」となってしまいますね。
そして、安全策で「ベージュばかり」「グレーばかり」などになってしまったら、オシャレにはなかなかなれませんし、そもそも飽きてしまいます。
でも、ご自分の顔映りの変化の傾向を分かっていたら…?
「あれ、この色、顔色が沈む…やめておこう
「あ!この色は頬の血色が増した。元気に見える」
「そうそうこのパターン、イエベの私がブルべの色を着た時の見え方だわ!」
試着の時こんな風に感じることができれば、スウッチ(色見本)やカラーカードがなくても、迷わずに「買うか買わざるか」ジャッジが下せるのです。
つまるところパーソナルカラー診断の肝は
ですから、パーソナルカラー診断の一番の肝は「自分が何のグループに所属する」よりも優先して、「どんな見え方に変化するのか」を知るころだと思うのです
もちろんわかりやすくするために色のグループ分けはございます。色をイエローベース/ブルーベースに分けたうえで、鮮やかさと濃さでも比較できるようになっております。
とはいってもお客様は、「どんどん青みが深くなると影を拾ってしまう」ことや「どんどん黄色味が加わると黄ばんでくすんでしまう」ことを、ドレープを当てたご自分の顔を見て実感なさっています。それこそが、実際の色を選ぶ時に力を発揮するのです。
色の似合う似合わないは、どのグループに所属しているかにこだわるよりもよりも、その色が黄色みを帯びているか・はたまた青みを帯びているかで肌の見え方にどんな影響を与えるか。そしてその見え方のパターンを知ってしまった方が、実際の色えらびに活用できるという事なのですね。
もう一つだけお伝えすると
いままで、パーソナルカラー診断で一番重要なアンダートーン(ブルーベース/イエローベース)について、肌色の見え方の違いこそが重要と書いてきました。
ところが色には「色相」以外の要素がまだあります。
それは「明度」と「彩度」ですね。美術の時間に習った記憶がありますが、これも、似合う似合わない=肌映えするしない に関わってきます。
これは、また折を見て投稿したいと思いますが、まずは一番の基本のアンダートーンを大事にしていただきたいなと思います。
そして最後にもう一つ、実はパーソナルカラーは服よりも顔に近いところの方が影響が大きいです。それは顔の中に色を置くお化粧品、ポイントメイクの色です。これこそが、私がメイクレッスンに「パーソナルカラー診断」をつけている最大の理由です。
別の場所で診断済みの方にも受けていただいております。それは「誤診かもしれないから?」などと言う理由では全くありません。誤診なんて世の中にないと思っています。それは単にグループ分けの中に入りきらなかっただけのこと。カテゴリーの分け方次第で、似合う色がカテゴリー(グループ)をまたいでしまうなんてことはあります。
それよりも、ドレープを当てる中でお客様に似合う場合の傾向、似合わない場合の傾向を知っていただきたいからにほかなりません。
メイクレッスンにパーソナルカラー診断がついている理由、共感していただきましたらうれしく思います。
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